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JAXAが打ち上げの宇宙帆船にODPA(オキシジフタル酸無水物)の採用を決定

2010年01月28日

  (カテゴリ:トピックス)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、2010年5月に打ち上げ予定である、(※)小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」のセイル(=帆)に用いられるポリイミド樹脂フィルムに、当社が開発した「新規オキシジフタル酸無水物(ODPA)」の採用が決定しました。  IKAROSは、燃料を不要とし、太陽光を受けて宇宙を航行することに加え、薄膜の太陽電池を貼り付けたソーラー電力セイルによる大電力発電を同時に行うという世界初の計画で、その重要なカギを握るのが、セイル膜材料になります。セイルに用いられるポリイミド樹脂フィルムは、宇宙線に対する長期耐久性をはじめ、高い弾性・成形加工性や7.5マイクロメートルという超薄膜化が求められ、これに加え、太陽熱や紫外線などによる過酷な宇宙空間では接着剤の使用が困難な為、優れた熱可塑性・熱融着性が必須条件となります。

当社とJAXAは、2007年に開発をスタートさせ、当社の強みである臭素化反応技術を応用するかたちで、溶媒溶解性や光透過性、柔軟性、接着性などを付与した非対称の分子構造を持つ、新規ODPAの開発に成功しました。これにより、厳しい条件下における宇宙空間でも長期の使用を可能にするとともに接着剤を不要とし、セイルの薄膜化や成形加工性、セイルを開く際に必要な高弾性などの特性を有するポリイミド樹脂フィルムの実現に最適な材料として、JAXAから評価され、採用が決定しました。

(※)小型ソーラー電力セイル実証機(IKAROS=Interplanetary Kite-craft Accelerated by Radiation Of the Sun)  

2010年5月に、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H-ⅡAロケットにて金星探査機「あかつき」と相乗りで打ち上げられ、惑星間軌道上で、帆だけで宇宙空間を航行できること及び薄膜太陽電池で発電できることの世界初の実証を目指します。



提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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